PE2HO

Betelgeuse's Diary

『新種のバッタ』。「秘境で発見された珍動物」メソッドは2013年も健在だった。

「ジャングルの秘境にはこんな見たこともない人々や生物がいて、撮影チームは決死の取材を試みた」という形式のバラエティ・お笑い番組があります。
テレビでは川口浩探検隊、藤岡弘探検隊などが有名です。

常識ある大人は演じられる喜劇を楽しみ、若者は同じネタを自分たちもいつかやってみたいと思い、小さい子供にとってはサンタクロースよりもまじめに信じてしまう何か。

このメソッドは、Webになっても相変わらず便利に使われているようです。


痛いニュース(ノ∀`) : 【画像】 「完全に宇宙生物」 アマゾンで発見された新種のバッタがヤバイと話題に - ライブドアブログ

元記事はNBC NEWSのScientists discover scores of species in Suriname's 'Tropical Eden' - NBC News.com
南米スリナムをアマゾンと言わないと通じないと訳者は判断し、スライドショー24枚目の planthopper をバッタと訳してしまってます。

虫としてはそこらへんにいるハゴロモの仲間の幼虫で、体が紅白なのがトロピカルな写真。

日本にもこれと同じ、尻に毛の束が生えたハゴロモの仲間の幼虫はたくさんいます。
ベッコウハゴロモやアオバハゴロモは、夏に公園に行けばそこらじゅうの木に止まっています。



今回のポイントは

  • 英語記事の planthopper がバッタと誤訳された

  • カメムシ、セミ、アワフキムシ、ツノゼミ類などよりも「バッタ」の効果ははるかに大きい

  • 現在、日本人は昆虫の中で、バッタ画像に嫌悪感を持たない(グロ注意とは付けない)

  • 「新種の」「アマゾンの」などと付くと思わず見てしまう程度に親近感を持っている

  • 本来キモイで済ませる何とかムシの幼虫に対して、珍奇だと煽られると「ヤバイ」「凄い」というコメントをしてしまう

  • 近所の公園にいるハゴロモ類の幼虫は、日本人にとって姿ですらマイナーな虫だった


ということでした。
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