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Betelgeuse's Diary

戦姫絶唱シンフォギアというアニメを見るうえでの、HP消費技「絶唱」の扱いについて

戦姫絶唱シンフォギア(せんきぜっしょうシンフォギア)は、きわめてツッコミどころの多いアニメです。
その中でも、必殺技「絶唱」の扱いについて勘違いさせる表現、勘違いできる構成となっています。




反動で負傷する大技だが自爆技ではないという設定は、どのように表現され理解されたか。


以下、ネタバレというか概要説明を含みます。
この作品を未見でこれから見る予定があり、すべて新奇なものを見る驚きをとっておきたい人は、読むのをやめましょう。
もっとも、これを読んだところで、別の意味で驚くものかと思いますが……。


この作品は第1話の序盤15分で、
デュエットしていた歌手2名のライブ会場が怪物の群れに襲撃され、
赤毛と青毛の歌手2名はヒーロー変身して戦い、
そのうち追い詰められた赤毛娘が「絶唱」という技で敵を殲滅して自らは死にます。

ある物語の始まりは、「この中ではこういうお約束で動いてるからね」という説明です。

シンフォギアにおいては、戦士は最終的に自爆技を出して敵を道連れに死ぬ、という説明だとみな受け止めました。


赤毛娘は死ぬいくらか前に ジゲンシキではここまでかよ と口走っていますが、それが重要ワードであることが判明するのは後のこと。




さて、残った青毛の娘も数年後に戦闘で「絶唱」を使い、瀕死で病院搬送になりました。

「絶唱」は自爆技ではなく、単に反動がきつい技だったということ。
さらに青毛の娘の回想の中で、赤毛の娘は実はドーピング強化人間であったことがわかりました。

時限式とは、ようするに薬切れだったのです。


もっとも、視聴者にとっては、絶唱する=死ぬ、は既に固定されていました。


先に説明されたものが基本法則。
後から例外について説明される。


そういうものです。

10話で新規加入の娘も「私の命は安物じゃねぇ」と、絶唱の使用については死を前提にしたかのような発言でした。

終盤で敵ボスキャラは、鎧の元がペンダントではなく体内に埋まっている主人公について、「特殊なお前が絶唱の反動をどのぐらい軽くできるのか気になる」という意味の発言をしていましたが、あまりにもその前のセリフが多すぎて、もう誰も聴いていませんでした。


そして、大詰めでの絶唱&絶唱。

改心したボスキャラが防御力に加護を与えていた表現などは、きわめて一瞬。

最後に戻ってきた連中を見て、視聴者たちはフルツッコミを入れたのです。


「お前ら生きてやがったのかよ!!」


視聴者と製作者のコミュニケーションとしてきわめて楽しいアニメであることを強調するとともに、作劇としての「設定への正しさ」を求めるものでは無いということも改めて感じている次第です。



今年のアニメ…『戦姫絶唱シンフォギア』『銀河へキックオフ』 - 不定期で消失日記

・『戦姫絶唱シンフォギア』
 恥ずかしさを恐れぬイマジネーションの数々、随所に込められたサプライズ。この大胆不敵さこそ、我々がアニメで見たいと願い続けたものなのかもしれない…。逸脱を装ったその実「定型句」が支配するこの世の中、真の大胆不敵はそれをネタ消費する事を許さない。これネタ/クソアニメとしてアイロニカルに面白がるような態度は、断じて封じられねばならぬ。端的に言うと「僕等が信じてたアニメーションは、大体こんな感じ」。2012年初頭突如として現れた希望星。2期にも期待。




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テーマ:戦姫絶唱シンフォギアG - ジャンル:アニメ・コミック



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