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Betelgeuse's Diary

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「肺の中で植物やキノコが成長」した話のメモ

肺の中で豆が発芽した話がニュースになっていたので、関連の話をまとめておきます。

植物種子が肺で発芽した例は、日本でもニュースになった例で、2007年に中国でイネ科雑草、2009年にロシアでモミ、今回のアメリカのエンドウ豆が記録にあるようです。

2007年 中国河南省の生後10ヶ月の女児の肺でイネ科植物の種が成長
http://rate.livedoor.biz/archives/50421159.html
ソースは http://web.archive.org/web/20080507150829/http://www.ananova.com/news/story/sm_2515692.html?menu=news.quirkies

2009年 ロシアのイジェフスク(Izhevsk) 在住、アルチオン・シドルキン( Artyom Sidorkin )(28歳)の肺の中でモミ(fir tree)の幼木が成長
摘出された肺の組織と、植物の写真がリンク先にあります。
http://www.mosnews.com/weird/2009/04/13/firtree/

今回のニュースは
2010年 アメリカのマサチューセッツ(Massachusetts)在住、ロン・スベーデン(Ron Sveden)(75歳)の肺の中で豆(a pea or a bean)が発芽
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2748090/6073248
http://pagingdrgupta.blogs.cnn.com/2010/08/13/plant-sprouts-in-mans-lung/


また、1993年に栗原アヤ子さんが罹ったスエヒロタケのように、キノコの菌糸が肺で成長する例は他にもあるようです。

※栗原アヤ子さんによる記事は1999年の婦人公論に掲載されました。
世界で7例の難病「肺スエヒロタケ感染症」と私の闘い (特集 女は試練に磨かれる) 婦人公論 84(7), 25-27, 1999-03-22


スエヒロタケが肺で生育することもある、というのが見つかったのは1989年だそうです。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

1989年、千葉大学病院の呼吸器内科にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断された患者が再入院した。気管支の粘液を培養したら、白い糸状菌のコロニーが見つかった。
千葉大真菌医学研究センターの西村和子教授が分析を依頼された。この糸状菌は胞子を作らず、そのままではどのようなカビかを特定することが不可能だった。西村教授は綿密に観察、菌糸に「かすがい連結」のあることに気が付いた。
かすがい連結とはキノコに特有の器官で、隔壁で区切られた2つの細胞の間を、ちょうど柱にかすがいを打ち込んだようにつないでいる。
だが、キノコが原因とは考えにくかった。一時は捨ててしまおうと思ったが、何かひっかかるものを感じた西村教授は手元にとっておき時々は眺めていた。
1ヶ月経過したある日、コロニー周辺にキノコが2本生えていた。
調べたら『スエヒロタケ』だった。これが病気の原因と分かり、世界初のスエヒロタケによるアレルギ性気管支肺真菌症の報告となった。
スエヒロタケは、どこにでも見られるキノコで、立ち枯れた樹木や倒木に生えてくる。遺伝学の分野では重要な研究対象であり、タイやインドネシアでは食卓にのぼる。胞子が気管支や肺に定着することは健康な人では起きないが、この患者では何らかの原因で抵抗力が落ちていたために菌が住み付いたようだ。(宮治誠・千葉大学教授)




千葉大学真菌医学研究センター 目で見る真菌症シリーズ 1

Q. キノコがヒトに感染するって本当ですか?
A. はい。でも、もちろんマツタケやシメジがヒトに感染するわけではありません。 これまでに感染することが知られているキノコは2種類(スエヒロタケ、ヒトヨタケ)だけです。 でも、これらは日本国内どこにでもよく見られるキノコです。



Q. キノコの感染なんて、ものすごく珍しいことだと思いますが…
A. そうでもありません。これまでに日本で30例以上が見つかっています。 日本で診断できるのは、まだ千葉大学真菌医学研究センターだけですし、 もともと診断が難しいことを考えると、もっとたくさんの患者さんが、 診断のつかないまま苦しんでいると考えられています。

Q. キノコに感染するとどうなるのですか?
A. ほとんどの場合は、キノコ菌糸が気管支の中に住み着いて、セキ・タンなどがしつこく続きます。 キノコが生えるわけではありません。 アレルギーを起こして、喘息の症状になったり、肺炎のようにレントゲンに影が出ることもあります。 稀ですが、外国では肺炎から脳炎になって死亡した例もありますので、油断は禁物です。



カビやキノコが肺に侵入することについては、一般的な対策が書かれていました。
千葉大学真菌医学研究センター 目で見る真菌症シリーズ 11 リンク先、問い合わせメール・電話番号あり。

Q. 非常に怖いですが、何か対策はありますか。
A. はじめにも述べた通り、アスペルギルス属菌をはじめとする病原性真菌(人に病気を起こす可能性のある真菌)は私たちの暮らしている環境中の至るところに棲息していますので、これらの真菌を全く吸入せずに生活をすることは不可能です。
ただ、吸入の機会、吸入する胞子の量を減らすことは感染に対するある程度の対策にはなりますので、廃屋、屋根裏、地下室、建築現場などの埃やカビの多い場所は可能な限り避けるほうがよいでしょう。どうしてもそのような場所に行かなければならないときは専用の感染防御マスク(N95 マスク)の着用をお勧めします。

Q. 診断してもらうためには、どんな診療科を受診すればいいのですか。
A. 上に述べたような深在性真菌症は多くの場合まず肺に病巣を作りますので、呼吸器科を受診するのがよいでしょう。
最近は感染症科が設けられている病院も増えておりますので、そちらを受診してもいいかもしれません。また真菌医学研究センターでは一般の方々からのお問い合わせにも応じておりますので、ご不明な点などがございましたらご質問をお寄せ頂ければ幸いです。




最近のスエヒロタケの例。
55.スエヒロタケ(Schizophyllum commune)によるアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)の1例(第17回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

これらはWebでも記事となった例ですので、本格的に文献を当たりたいかたは医学系のデータベースを参照されることをおすすめします。


2016-08-24追記
カビを吸い込み続けた例
バグパイプ内の菌で男性死亡? 管楽器奏者に警鐘 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News[archive]

英医学誌「ソラックス(Thorax)」に掲載された記事によると、死亡した61歳の男性は毎日バグパイプを演奏しており、7年間にわたり乾性のせきと息苦しさに悩まされていた。

 だが、バグパイプを自宅に置いてオーストラリアへ3か月間旅行に出掛けた際だけ、症状が急速に緩和されたという。

 これを受けて主治医らがバグパイプ内を調べたところ、湿気のこもった留気袋や音管、マウスピースに、多様な菌類が繁殖していたことが分かった。

 男性は治療のかいなく2014年10月に死亡。検視の結果、肺には重度の損傷が見つかった。

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