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Betelgeuse's Diary

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飯豊山の草履塚(ぞうりづか)はいつ頃から草鞋(わらじ)の山が見えなくなったか

特に山に登るわけではないですが、デイリーポータルZの記事「標高2000メートルの盲腸県境と危険すぎる県境」を読んでいたら飯豊山(いいでさん)についてちょっと調べてみたくなりました。

山岳信仰の登山者は行きと帰りに草鞋を履き替えて古いほうを捨てていため草鞋の山があったという場所「草履塚/草鞋塚」。
現場にあった大量のわらじは、いつごろ認識されなくなったのか。




佐治 祐吉(サジ ユウキチ)とは - コトバンク

大正・昭和期の小説家
生年明治27(1894)年6月11日
没年昭和45(1970)年4月29日
出生地福島県会津若松
学歴〔年〕東京帝国大学卒,東京帝国大学大学院修了
経歴大正7年東大同人誌第5次「新思潮」に参加、「ハルピンの一夜」「恐ろしき告白」などを発表。9年の三田文学に「涙」なども書いた。のち渋沢栄一の秘書、晩年東洋大、明大各講師。渋沢死後「渋沢栄一伝記資料」刊行に従事した。



『紋平が幼き心』(佐治祐吉)1920年、「飯豊登山」より

八合目に草鞋塚あり。その草鞋、数、幾万とも知るべからぞ。堆く土手をなして小さき祠を包めり。昔、これにて登れるも降れるも草鞋をかへさせ、武士も大小をこゝに託して、上れりきといふ。


四年級課題文



1910年代、明治時代の末ごろにはまだ草鞋がたくさんがあると見えていたようです。




『旅路. 第1輯』(関東旅行クラブ編輯部 編、六合館)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1175402/6

一、本書は、我が関東旅行クラブの機関紙たる会報「旅路」に登載せる、既往一箇年の紀行にして、参加会員の執筆したるものなり。我らは文筆家にあらざれば、美辞もなく、又麗句もなし、たゞ見聞にまかせたるのみなり。(後略)


八月に登山した「東北の霊峰飯豊山へ(紀行) 藤義生」 中、早朝の草履塚でその見た目に触れられている箇所はなし
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1175402/140

1930年(昭和5年)ごろでは、もう草履塚はただの地名となっているようです。




山岳信仰での草鞋履き替えについて
1943年(昭和18)、『山と人と生活』(高橋文太郎 著)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1460098/156

加賀白山の大汝峯頂の社頭には、草鞋の破れたものが山積みされてゐる。これは登拝の信徒がここで草鞋を新たにするためであるが、山神が山の卑しくなるのを厭ふので、斯うるすのだとの説がある(宍戸昌氏、北陸游記)。

飯豊山の頂上付近、乗越の鞍部(會津側)には草履塚がある。信者はここで草履(草鞋)を替へ頂上の神社前にすすむが、又下山の折も此処で草履を替へる。これは山の神聖を穢さぬためと同時に、山上の土を持ち降つて山が低くなるのを惜しむためと云ふ(森谷周野氏)。



白山の大汝峰にも同じような草鞋を取り換えて古い草鞋を捨てる場所があったそうです。


梅田始 (1998) 『新潟県における飯豊山信仰(1)』「会誌 石仏ふぉーらむ」新潟県石仏の会
http://www.inet-shibata.or.jp/~iide/iidekanren/iidesinkou/iidesinkou.html[archive]

草履塚は本山を目前とする一峰で、飯豊連峰に中でも景観のすぐれた所である。
ここでは参詣者の散米を集めて甘酒を作り、これを振る舞い、杖を貸したという。
参詣者はここで新しい草鞋にはき替え、心身を整えて本社に向かうことになっていた。
草鞋がうずたかく積まれていたという。
参詣者が実際に用いたのはゾウリではなくワラジであったから「わらじ塚」とすべきものを「ぞうり塚」としている。
草履の持つ俗信が多く、俗信を信ずるがために「ぞうり塚」としたものと考えられる。
草履は神事、婚礼、葬式などの重要な儀式に要求されることが多い。
穢れに対する忌みの観念があり、新しい草履が大地にふれるところに一つの新生力が悪霊を克服する威力を持つと信じられていた。
ワラジはワラグツの転訛であり、クツは履物の総称であったことを考えると、ワラジをゾウリと言いかえることに抵抗を感じなかったものであろう。



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