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Betelgeuse's Diary

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蚊帳(かや)と網戸(あみど)のメモ

蚊帳(かや)。
骨組をつくり絹をかぶせる超高級な蚊帳、麻で出来た普及品の蚊帳、萌黄色の麻の蚊帳を売り子が売り歩く、貧乏人の紙帳(しちょう)の窓部分に蚊帳をリサイクル、合成樹脂の安い蚊帳、住宅の変化で廃れる。

網戸(あみど)。
アルミサッシが普及してそれにともない合成樹脂の網戸が急速に普及した。

日本家屋が開けっぴろげで寝床を蚊からまもる時代、窓だけ蚊からまもる時代、そしてエアコンにより窓も開けなくなる時代についてのメモ用記事。

寝ている人を蚊から守る蚊帳

『日本書紀』応神天皇の41年、呉(ご)の女性3人が渡来して、のちの呉衣縫(くれのきぬぬい)、蚊屋衣縫(かやのきぬぬい)などの職人の祖になった。
近代デジタルライブラリー - 仮名日本書紀. 上巻

蚊帳(ブンチョウ)は蚊が来ないようにする高級テント。
蚊屋(かや)はそのテントの和名。

播磨国風土記に、応神天皇が巡幸で蚊帳を張ったことにちなんで「加野(かや)」という名前になったという土地がある。
近代デジタルライブラリー - 標注古風土記
応神天皇のキャンプ地は地元民に「カヤに行ってくる」扱い。

平安時代の貴族が使ったのは帳台(ちょうだい)、御帳台(みちょうだい)、御帳(みちょう)。
帳台構え - Wikipedia

室町時代、「奈良蚊帳」が流行。
「八幡蚊帳(はちまんがや)」近江八幡で麻製蚊帳が作られる。
「浜蚊帳(はまがや)」近江の長浜で麻製蚊帳が作られる。
合わせて『近江蚊帳(おうみがや)』。

蚊帳は室内に吊るすようになる。
近江蚊帳が萌黄色(もえぎいろ:若葉の黄緑)に染められるようになる。
幼児用には母衣蚊帳(ほろがや)が作られる。

庶民は紙帳(しちょう)を使う。通気性がとても悪く、蚊帳をリサイクルした窓を付ける。

1960年ごろ、合成樹脂で誰でも蚊帳が買えるようになる。

住宅の形が変わる。建物の窓で蚊の侵入が止められるようになる(網戸)。
部屋が網戸を吊るせる構造ではなくなる(長押がない)。
蚊帳は廃れる。

食品を蝿から守る蝿帳
蝿帳(はえちょう、はいちょう)。蝿から食品を守る網で囲われた戸棚。
蠅帳 - Wikipedia

食品保管の役割は冷蔵庫や冷凍庫になる。
パラソル型の蝿帳はテーブルの上の食品を守る用途として残り、現在はパンを発酵させる人などが利用。


宝物をネズミから守る網戸
1685年(貞享2年)日光東照宮ではネズミ侵入防止の網戸が使われる。
近代デジタルライブラリー - 日光東照宮修営志

列車の網戸
1939年(昭和14年)の鉄道客車解説。列車の窓に金網があるのは優等車。
近代デジタルライブラリー - 略図の客貨車
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1025278/108
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1025278/110

アルミサッシ以前
サッシは木製。隙間がある。昆虫が侵入する。

アルミサッシ以後
歪まない。気密性がある。一間窓に低コストで網戸をつけるスペースが生まれる。網戸の普及。

暑い日でも網戸を閉めて蚊取り線香/電気式蚊取りマット/スプレー式殺虫剤で室内の蚊を殺しつくせば安眠できるという時代、そしてエアコンがあるのでガラス戸も閉められる、という時代へ。


参照サイトのメモ
網戸の歴史 其の参[archive]
小林一茶の俳句にもある紙帳。一部分に蚊帳をリサイクルした網をいれて通気性を確保。

生涯一設計士・佐々木繁の日々:『網戸』の普及はいつから? … 網戸は無くても然程困らないものらしい[archive]
奈良時代からの蚊帳。1959年からの標準化アルミサッシにより網戸の普及。

6話 網戸の歴史 | 網戸の豆知識 | 豆知識 | 知る・楽しむ | セイキグループ[archive]
戦国時代まで蚊帳は超高級品。近江商人が普及品の麻製蚊帳を作りはじめる。
昭和30年代、ダイオ化成の前身である「垣内商事」が塩ビ系素材「サラン」で防虫網。
昭和35~40年は合成樹脂製蚊帳のピーク。
かつての網戸は建具屋さんの手仕事。アルミサッシの普及で以後は網戸となる。

蚊帳(かや)着物のことなら着物専門店「丸や呉服店」[archive]
1620年ごろ、西川甚五郎が萌黄(もえぎ)色に染めて四隅に紅布を付けた麻の蚊帳を販売。
昭和40年代以降、蚊帳を吊るしたくても引っ掛ける長押(なげし)が無くなった。

江戸のあれこれ : 江戸・東京ときどきロンドン[archive]
「萌黄の蚊帳ぁ~」と叫ぶ2人組の蚊帳売り。
宝永の頃に大阪の説教節の名人が江戸で蚊帳売りを始めてから、美声が蚊帳売りの条件に。

蚊帳(かや)の歴史 バーチャル蚊帳の博物館[archive]
昭和40年ころは集合住宅でも蚊帳をつるす鉤が埋め込まれた建物があった。
蚊帳の初期は骨組がある。天井からつるす初出は1609年。

「源氏物語」と蚊帳と限定販売の羽毛ふとん[archive]
平安時代の貴族は板の間の上に畳、その上に骨組と布がかかった「御帳台(みちょうだい)」。

http://www.travelplan.co.jp/vita/news/2010-09/index.html[archive]
母衣蚊帳(ほろがや)子供用の蚊帳。一茶の句にもある。
割竹を半円形に曲げて要で止め、その上に布を張る。

歴史を見たマテリアル14[archive]
1952年(旧)日本相互銀行本店ビルでアルミサッシ(神戸製鋼所)が採用。
スチールサッシが普及。1959年にレディメードアルミサッシ(標準化アルミサッシ)。
日本家屋に「気密性」が生まれる。
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