柴田誠( @makoto_shibata )氏が2003年発売の和風ホラーゲーム「「零~紅い蝶~(ゼロ あかいちょう)」を開発中に、自宅に女の霊が出るようになった。
P&G社の消臭スプレー剤「ファブリーズ」噴霧が一時的に霊を出なくしたように見えたが、結論としては効果が無かった。
除霊にファブリーズという各種の話は、ここがきっかけのようです。
2003年テクモのゲーム公式サイトで「零~紅い蝶~」[archive] の開発秘話 が公開されており、ディレクター柴田誠氏のスタッフコラム「ほんとうにあったはなし」が2004年1月22日に更新されています。
ホラー作品の定番、製作中の怪奇現象をスタッフが語る。
製作中に怪しい声がいろいろ入ったなどのほか、柴田誠氏が自室に女の霊がでたという話を披露しています。
http://www.tecmo.co.jp/product/zero2/column_main4.htm[archive]
これまで霊現象は、ゲームを作っている現場で起きていた。つまり、主に会社で起きていたのだが、今回は私が住んでいる部屋で起きるようになったのだ。
http://www.tecmo.co.jp/product/zero2/column_main4_2.htm[archive]
流し台の方に避難し、おそるおそる部屋をのぞき込んでみると、自分が寝ていた場所に、ぼんやりと白く光るものが見える。
目を凝らすと、細身のセミロングの女性が、私の枕に顔を突っ伏して、やや体を横にして横たわっている。
http://www.tecmo.co.jp/product/zero2/column_main4_3.htm[archive]
前作『零~zero~』を作っているときに、部屋の中に長い髪の毛が落ちているという事件が何回かあった。
その原因が、ここになってはっきりするとは…
※ 零~zero~の時の髪の毛話はこれ[archive]
http://www.tecmo.co.jp/product/zero2/column_main4_4.htm[archive]
それから『零~紅い蝶~』の開発が佳境に入り、あまり家に帰らなくなったこともあるが、その女には会わなくなった。家にいるときも出ない。
そこで、一つ思い当たることがあった。気のせいかもしれないが、なぜか部屋にファブリーズしたときには出ないのだった。
悪臭をとるファブリーズと霊……部屋の空気が綺麗になると霊が来にくくなるのかも…もしくは、霊が空気中のよどみや悪臭の中に潜んでいるのかも…もしかして、すごく重要な発見をしたのではないか?
もちろん、科学的な根拠はないのだが、そんな直感に基づき、
「霊で悩んでいる人は、部屋にファブリーズしてみることをお薦めします」と社内掲示板に書きこんだために、
私は"ファブリーズで除霊した男"として少し有名になってしまった。
これでかなり安心したのかもしれない。
「前作で霊体験をゲームにしたから、霊が私もゲームに出して~って来たんじゃないですか?」
「出現の仕方が毎回違うなんて、サービス精神旺盛ですね。参考になりますよね」
「次はファブリーズで除霊するゲームですか?赤いファブリーズを使うの!…なんて」
「どうせ部屋に女が実際にいた、っていうオチでしょ…」(←断固としていない)
「いいかげん御払いしないと、また来ますよ、きっと!」(←断固としてしない)
などなど…あの"ありえない現象"はもう過去のことになりつつあり、まわりの反応はすでにネタ化しつつあった。
しかし、ゲームが発売されて部屋にいる日も多くなると、ファブリーズは欠かしていないにも関わらず(最近は盛り塩も導入した)、それがまた出始めたのだ…。
http://www.tecmo.co.jp/product/zero2/column_main4_5.htm[archive]
どうにもファブリーズでも解決を見ないので、私はもうすぐこの部屋を出ようと思います。
なお、ゲーム本編には、私の部屋に出た、この突っ伏して動かない女をモチーフにした霊が登場します。ぜひ探してみてください…
(完)
(太字は引用者)
鬼灯の冷徹15巻にて「ファブリーズが霊に効くという噂がネットで出回ってる」という一コマが。すっかり都市伝説になってる…
— 柴田 誠 (@makoto_shibata) 2014, 9月 17
約10年で都市伝説が定着していく話でした。
前半のひょっとして効くのかも?と、後半のやっぱり効かない、という話のうち、前半部分だけが広まるというのも興味深いところです。
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