ネタバレのため既読者用。
モジャ公 (1) (小学館コロコロ文庫)
モジャ公 (2) (小学館コロコロ文庫)
現在は大全集版
全体
この本で宇宙船という言葉はない、すべて「ロケット」
地名としての「星」の読みはカミカミ星だけ「ぼし」、他は「せい」
主要人物
天野空夫(あまの そらお)でたらめで能天気な主人公
モジャラ 口に物を収納する変な生物
ドンモ 叩かれると一時的に有能になるロボット
主人公たちの乗り物
ロケット(名なしのゴンベ号)モジャラたちが月賦で購入、50年前のクラシック・ロケット
ロケット レース勝利後に購入した300年前のクラシック・ロケット
ストーリー
1~10はここで便宜上付けた。作品中に章番号はない。
1 宇宙へ家出
3人の出会い
2 地球人はこわいよ
メルル星(せい)
コンピューターに頼り切った高度文明、一桁計算ができない人々
地球は宇宙の果ての大魔境、地球人はおっかねえ原始人
3 うまそうな三人
カミカミ星(ぼし)
狼人間の星、夜になると別の性格な人々に料理されかける
月食で助かる
4 さよなら411ボル
コスカラ星(ぼし) 補給用人工星 (こすからい、こすっからい)
旅行者の女の子、モナ・モナシスと知り合う
常に相手の支払える限度額で商売する人々から無補給で逃げ出す
※当時の大金持ちの代名詞は海運王のアリストテレス・オナシス
5 恐竜の星
恐竜狩りゲームセンターのある星
「これはギャグまんがじゃなかったか?」「作者はおかしいんだ!」「少しでも人気を取ろうと思って」のメタネタ
※モジャラの発言「おれチクロ入り」(=自分は毒だから食うな)
人工甘味料のチクロ(サイクラミン酸ナトリウム)が使用禁止になったのは1969年
モジャ公の連載は「ぼくらマガジン」誌の1969年から1970年
6 アステロイド・ラリー
恐竜ゲームセンターと同じ星
高級ホテルに金持ちのふりをして無賃宿泊
モナに金を借りようとして成り行きで銀河グランプリレースに出場し優勝
小惑星帯を通り抜けるレースでロケットは壊れる
出場者たちと乗り物:
モナのロケット(エスメラルダ号)
ヒロンのロケット(ケンタウルス号)
ゴルバのロケット(ゴルバ号)
7 ナイナイ星(せい)の仇(かたき)討ち
空夫はクエ星人ムエに父のかたきとして追われる
ムエの父は源三位頼政に射られたヌエ
全財産で300年前のポンコツロケットを購入
恐竜ゲームセンターや高級ホテルのある星から逃げ出す
ナイナイ星は病気が発生し爆破予定の無人星 空夫の鼻くそが治療薬に
1巻巻末解説 『ブラックなSFファンタジー』川本三郎
これが映画『スター・ウォーズ』の登場する前に描かれていることを考えると、そのセンス・オブ・ワンダーの漸新さは驚嘆に値する。
さらに「天国よいとこ」の、人の脳をあやつって幻覚を見せるフェニックス星人たちは、いま世を騒がせているいかがわしい宗教集団にそっくりである。
※↑「フェニックス星人」は「シャングリラ人」の誤記と思われます。
※このコミック小学館コロコロ文庫版『モジャ公』は1995年10月20日。オウム真理教による地下鉄サリン事件の年。
(2巻)
8 自殺集団
自殺のふりをして通りすがりの人からたかる詐欺師オットーを拾う
人が死なない星、ジュゲム三番星(せい) フェニックスに来る
パイポ フェニックスで一番若い女(一万歳)
オットーを真似て3人が自殺すると語ると、人々から有名人の興業扱いに
”自殺フェスティバル”での3人の自殺方法を有識者たちが議論
記録映画作家タコペッティが撮影する
オットーは金を持ってポンコツロケットで逃げる
タコペッティが地球の戦争を語るとフェニックス人はそっちに興味
9 天国よいとこ
タコペッティの撮影のため 最古の文明の廃墟シャングリラへ
調査隊の兄を探す女ミルル
死人の星シャングリラ 死体と意識だけの人々から逃げる
タコペッティはカメラを忘れる
10 地球最後の日
星際都市ポンコンでオットーと再会しロケットを取り戻すが閉じ込められる
ロケットは地球に自動帰還
空夫は接近する隕石を警告するが人々から無視される
オットーは終末を語る宗教で稼ぐ
隕石はオットーと犯罪集団が仕込んだ偽物
見物に来ていたモナから燃料と旅費を借りて旅を再開
傑作です。
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