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Betelgeuse's Diary

自撮り棒、セルフィースティック、セルカ棒。撮影者が手持ちする自分撮り一脚の歴史

Selfie Stick、セルカ棒。日本では2014年後半から、デジカメやスマートフォン用手持ち一脚が流行の「セルカ棒」として、普通に量販店で売られるようになりました。
まだまだ新しい概念のためか、表記ゆれが大きい商品です。
日本語では「自撮り棒」となるのか、韓国からの輸入語で「セルカ棒」となるのか、注目していきたい。

Twitterで大昔の自撮り道具について語られていたので、ここまでの歴史メモ。

1926年



1983年
2人の日本人が特許をアメリカで出願
セルカ棒、最初の開発者は日本人…米国だけで特許登録 - もっと! コリア (Motto! KOREA)[archive]

最初のセルカ棒は1983年、日本人(Ueda Hiroshi、Mima yujiro)が発明し、1984年に日本で公開され、1985年に米国でのみ特許として登録された。市販のデジタルカメラがちょうど登場した80年代初めに発明されたセルカ棒は、カメラと固定部、長さが調節できるバー、ハンドルに付いたスイッチで構成されており、最近登場したセルカ棒と同じ完成度を見せている。ただし、特許の存続期間が20年であることを考えると、この特許は権利が消滅しおり、現在はすべての人が使用できる。


この特許はミノルタカメラが保有していたもの。
特許 US4530580 - Telescopic extender for supporting compact camera - Google 特許検索[archive]

Jun 7, 1985 AS Assignment
Owner name: MINOLTA CAMERA KABUSHIKI KAISHA, 30, 2-CHME, AZUCH
Free format text: ASSIGNMENT OF ASSIGNORS INTEREST.;ASSIGNORS:UEDA, HIROSHI;MIMA, YUJIRO;REEL/FRAME:004411/0461
Effective date: 19850530


http://www.google.com/patents/US4530580 より、1985年ミノルタカメラの自撮り棒特許

早すぎた「自撮り棒特許」について(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース[archive]

そもそも、この特許は特許料未納を理由として1993年には権利消滅しています。デジカメやスマホが普及する以前ではほとんど需要がなく、特許料を払ってもしょうがないと判断されたということなんでしょう。



1995年
カシオのデジカメ「QV-10」が発売された年の、
日本のセルフポートレート用一脚。
フィルムカメラ用、長いレリーズと組み合わせ。
役立たずの発明品として紹介されています。
これは何の雑誌で、どこの会社の製品なんだろうか。

[archive]
これは川上賢司氏が雑誌「通販生活」で連載した記事で、1992~1993年に日本で、1995年に英語版で発売されたもの。
川上賢司さん 発明・珍道具~発想を変える、逆理のテーゼ - 趣味遊遊

僕は元々は物書きで、編集プロダクションをやっていたのですが、あるとき「通販生活」という雑誌で、珍道具の連載をはじめたんです。
それを1つの本にまとめたら、外国の人の目に留まって火がついたってわけです。
このとき、それまでの連載をまとめて珍道具の本を出したわけですが、このとき「日本珍道具学会」を立ち上げた。1992年です。それが外国の人を刺激したらしくて、イギリスのBBC(!)が取材に来た。
それがきっかけになって英語の翻訳版が出て、その反響がすごくて、続けてドイツ語、スペイン語、フランス語、少し間をおいて中国語に翻訳された。で、昨年は韓国語にも翻訳された。
つまり、日本語をいれると全世界で7カ国語で出版されたことになります。7カ国語っていうと全世界67億人の大多数をカバーしてるんじゃないですか(笑)ポルトガル語と少数言語の本はまだないけど。人口的にいうと世界の半分以上を網羅していることになるのかな?


仰天珍道具事典 (Part 1) (カタログハウスの本)
仰天珍道具事典 (Part 2) (カタログハウスの本)
仰天珍道具事典―ほとんど実用にならない暮しの道具〈PART3〉 (カタログハウスの本)

英語版は





2009年
このあたりから、自分撮り用の一脚を見かけるように。
2009年6月
デジカメに「伸びる棒」を付けるとどうなる? - Excite Bit コネタ[archive]

デジカメ用のちょっとユニークなアイテムを見つけた。「自分撮り」(発売元・よしみカメラ)というネーミングの伸びる棒だ。



2009年7月
ハンファ・ジャパン、縮長20cmの自分撮り用アーム - デジカメWatch[archive]

ハンファ・ジャパンは、通販限定ブランド「UMAZONe」(うまぞん)の新製品として、自分撮り用アーム「bou3」(ボウ・スリー)を7日に発売した。価格は1,980円。Web限定で取り扱う。
 デジタルカメラで、自分撮りをする際に使用する伸縮式のアーム。アーム先端にデジタルカメラを取付けセルフタイマーで撮影する。カメラを手に持った状態で腕を伸ばして撮影する場合よりも、背景を広く写すことができるとしている。また、人混みでのハイアングル撮影などにも使用できるという。


ハンファ・ジャパン、自分撮り一脚第3弾と薄くて平らなノートPC用スピーカー[archive]

2013年
自分撮り1脚「bou」に軽くなった新製品「bou5」 - ITmedia デジカメプラス

韓国関係で2013年夏ごろから「セルカ棒」が現れ始める


韓国語で「自撮り棒、じどりぼう、セルカ棒、せるかぼう、セルフィースティック、セルカポン」とは | 韓国、韓国語辞書ならケイペディア[archive]

「自撮り棒(じどりぼう)、セルカ棒(せるかぼう)、セルフィースティック」は、韓国語で셀카봉(セルカポン)という。
셀카봉(自撮り棒、セルカ棒)とは、スマートフォン付帯のカメラを使用し、撮影者自身または撮影者とその同伴者を写し込むために使われるスティックのことをいう。棒をスマートフォンに取りつけ、棒を長く伸ばして使用する。셀카봉(セルカボン)の셀카(セルカ)は、韓製英語'self camera'の略で、撮影する本人または、その本人の周辺人物が映り込むように被写体を設定し、写真を撮ることである。
셀카(セルカ)は、主に自分の腕を伸ばして撮影するため、撮影できる角度や範囲にある程度の限界がある。それを補うために開発され、使用されているとみられる。カメラのタイマー機能を利用して撮るタイプと、無線式リモコンシャッターを用いて撮影するタイプがある。韓国では2014年の夏ごろから流行し始め、街中でも販売されており、日本でも通販サイトを通してセルカ棒(セルフィースティック)を購入ができる。




2014年
夏に東南アジアや韓国、年末にかけて日本で爆発的な流行。
韓国での「セルカ」「セルカ棒」という言葉が日本にも輸入される。

2014年7月、サンワダイレクトの商品は「セルフショットスティック」。
ASCII.jp:デジカメで自分撮りするための秘密兵器、それは「棒」だ![archive]

そこで、サンワダイレクトが出した大胆な解決案が「棒」だ。「セルフショットスティック 200-CAM023」は、なんと先端にカメラを取り付けて使用する、自分撮り用のスティックだ。



2014年7月29日
公開ファンサイン会に行くファンのための新しい必需品(?)が話題に[archive]

韓国の化粧品ブランド「トニーモリー」のモデルを務めるアイドルグループ「SUPER JUNIOR-M」が28日、ソウル・中区の「トニーモリー」明洞3号店でファンサイン会を開催、サイン会の現場写真が韓国のオンラインコミュニティに掲載され、ネチズンの注目を集めている。

セルカ棒を使ってSUPER JUNIOR-Mのメンバーの写真を撮るファンの画像を見たネチズンは、「ファンたち、かわいいねw」、「私も今度持って行く!」、「セルカ棒って本当に無敵だねw」などの反応をみせた。




夏ごろは日本での知名度は低い



9月ごろから紹介記事が増える。まだ恥ずかしい道具という扱い。「自撮り用セルフィー棒」。
自撮り用セルフィー棒は日本でも大流行なるか? 検証した結果 - 週アスPLUS[archive]

以上のポイントをふまえて言うと、アジアで人気らしいセルフィー棒ですが日本ではブームにはならないと予測します。ただ、自撮り写真や動画をディープに活用する人、例えばユーチューバーやブロガーなどの間ではすでにセルフィー棒を利用している人も多いようですが、今後も使えるアイテムとして着実に広まるのではないでしょうか。



10月ごろから日本でも本格的に。「自撮り棒」。
ついにここまで・・・自撮り棒が人気を集めている - NAVER まとめ

観光地に行くと、外国人がスマホに棒をつけて撮影している光景を目にすることがふえました。一体何??と気になった方も多いのでは??




2015年
増えるこういった棒が武器に使われることを懸念して、サッカー場に持ち込まない方針の球団もあるようです。
英サッカー、トッテナムとアーセナルが球場でのセルカ棒使用を禁止 : ギズモード・ジャパン[archive]

2015年1月13日現在、量販店では1000円前後のものが、Amazonでは3000円台のものが売れているようです。
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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術



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