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ワニの胆汁を毒とみなす東アフリカの迷信がニュースで輸出された話と、これに似たハンミョウの話

外国のニュースをそのまま伝える報道内容で、「ワニの胆汁は毒」と信じられ始めています。
発信元の東アフリカの迷信ではワニの胆汁が猛毒とみなされているそうです。



以下が「ワニの胆汁は毒」と伝えた日本の報道の例。
ビール飲み56人死亡 ワニの胆汁混入か モザンビーク:朝日新聞デジタル[archive]

アフリカ南部のモザンビークで、伝統的な製法でつくられたビールを飲んだ56人が死亡し、49人が病院に搬送された。同国の保健当局が11日発表した。AP通信が伝えた。

 同通信によると、56人は週末に開かれた葬儀に出席し、キビやトウモロコシの粉から作られたビールを飲んだ。当局者は「ビールにワニの胆汁が混入された可能性がある」とみている。当局がビールなどの試料を採取し、原因を調べている。AFP通信によると、死者には2歳の幼児も含まれている。(マラボ〈赤道ギニア〉=三浦英之)



「自家製ビール飲み69人死亡、“ワニの胆汁”混入か」 News i - TBSの動画ニュースサイト[archive]

アフリカ南部モザンビークで自家製のビールを飲んだ69人が死亡し、およそ200人が病院に搬送されました。ワニの胆汁が混入していたのが原因との見方も出ています。

 ロイター通信などによりますと、モザンビーク北東部で、先週末に開かれた葬儀で振る舞われた自家製ビールを飲んだ人のうち、少なくとも69人が死亡し、196人が下痢や筋肉の痛みなどを訴え病院に搬送されました。ビールはキビやトウモロコシの粉から伝統的な製法で作られたもので、地元の保健当局は「ワニの胆汁が混入した可能性がある」とみています。

 「今はだいぶ良くなった(Q.何か食べた?)はい。(Q.搬送されたときは?)本当に気持ち悪くて、意識を失っていた」(ビールを飲んだ人)

 当局は残った酒を採取し原因の特定を急いでいます。大量の犠牲者が出たことを受けモザンビーク政府は11日、3日間の喪に服すと発表しました。(13日11:11)



Forbesではワニの毒ではないだろうと疑問を呈する記事が出てきています。
Did Crocodile Bile In Beer Really Kill 69 People In Mozambique?[archive]

2015-01-19追記:Forbesの続報
Crocodile Bile Expert Suspects Toxic Pesticide In Mozambique Tainted Beer Tragedy - Forbes[archive]

これについては、ワニの胆汁が猛毒と信じられている東アフリカの迷信があるようです。

「ワニの胆汁で死亡」というデマが世界規模で続々拡散中? | THE NEW CLASSIC [ニュークラシック][archive]

ワニの胆汁が毒という記事について - Togetterまとめ[archive]

African Ethnobotany: Poisons and Drugs: Chemistry, Pharmacology, Toxicology
の中の記述で、タンザニアでは迷信として毒矢に使われていたそうです。






タンザニア周辺のワニについての迷信についての文献だとこのあたり
Cibemba Bush Medicines, Zambia - Springer

Crocodile bile; all who
know NunduZa (and they are very many) say that it is a very strong poison.



Crocodile bites and traditional beliefs in Korogwe District, Tanzania | The BMJ[archive]





この話題で連想したのが、日本の「斑猫(はんみょう)の毒」。
中国で毒や薬に使われたツチハンミョウ科のキイロゲンセイがその正体で、日本にも同じ成分を含むマメハンミョウがいたのですが、日本ではご近所の道の上を歩き回っている虹色の虫に「ハンミョウ」の名前が当てられてしまってこの虫を毒と誤解した人も多いそうです。
虫を食べるはなし 第14回 (毒薬「はんみょうの粉」の正体) -- 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会 --[archive]

ですから大奥で若君の謀殺などに使われた「斑猫の粉」は、若君の栄養にこそなれ、これを使った謀殺はことごとく失敗したはずです。 それどころか現在でも名前からこの無毒のハンミョウを猛毒と信じている識者がたくさんいます。


その昔、悪相の御殿医や根性の悪い側室が若君の謀殺に正しくマメハンミョウの粉を使っていたら、 江戸時代の大名家の歴史は大きくかわっていたかも知れません。



ハンミョウ 名前の由来[archive] では各種の文献から、中国から渡来した昆虫素材の薬物・毒物と、近所の道の上を飛び回っているナミハンミョウは日本で古くから混同されてきて、江戸時代になってからその違いが指摘されるようになったと考察しています。



「ワニの胆汁は猛毒」は新しい迷信の流行となりますが、これが信じられていくのか、打消しのほうが早いのか。

迷信がどうやって広まっていくのか、ひとつの例として記録したいと思います。
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