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Betelgeuse's Diary

アニメ「結城友奈は勇者である」と社畜について

「結城友奈は勇者である」全12話の放送が終わりました。

「これどうまとめるんだよ?」だった11話も、あれこれ詰め込まれた12話目でハッピー?エンドとなりました。

結論としては、戦略なき消耗戦になると知った兵が暴走し防備システムに穴を開けたため、期せずして最強戦力同士の決戦が実現してしまい、勝利により強制預金(供物=肉体の欠損)が解約できたお話。なかなか楽しかった。

サントラについては【曲感想と植物メモ】TVアニメ「結城友奈は勇者である」オリジナルサウンドトラックで書きました。いい曲が揃っています。

この物語中の「勇者」と、「社畜」(会社の家畜的な人)の類似について、いろいろなツイートがされています。

2011年の「魔法少女まどか☆マギカ」から流行している、このタイプの物語について。
〈絶望少女〉ものを定義する――小森健太朗への応答 - 〈ロックをこじらせる〉のはもうやめた[archive]

〈絶望少女〉ものとカテゴライズされるアニメ作品群がある
そこには「魔法少女まどか☆マギカ」「幻影ヲ駆ケル太陽」「Selector infected WIXOSS」&「Selector spread WIXOSS」「結城友奈は勇者である」が含まれる


以上から、私は〈絶望少女〉ものを以下のように定義したい。
「戦いに駆り出された者たちが、自分たちを戦いに駆り出したシステムと自分たちだけで向き合おうとした結果、絶望へと落とされる物語」であると。



この物語の世界設定・プレヒストリーについては、作監として結城友奈11話を振り返って[archive]の記事を書いておられる「みけねこ」さんが要点を書いています。
結城友奈 最終話:みけねこの小部屋:So-netブログ[archive]

西暦2015年、人類の行き過ぎた繁栄を見た天津神が「増長する悪」と判断し、人類粛清を始めます。その尖兵となる物を、人類は「バーテックス」と呼び、国津神は人類の味方となり、その姿を神樹に変え四国の地だけは粛清から免れました。

西暦2018年、四国にバーテックス来襲。神樹の力を授かった者達が現れる。西暦での「勇者」システムが登場します。
翌年、バーテックスを退けるが防衛がやっとの状況。人類はこの地から出ないという条件で攻撃を止めてもらう。

西暦2023年、大赦と政府による整備体制を確立し西暦が終わります。

翌年、神世紀1年「神樹」を祀る神世紀が始まります。

今回、アニメになった部分は、物語が始まる2年前。神世紀298年に勃発した「瀬戸大橋跡地の合戦」の結末・後日談という事になるのだと思います。

☆注意)一部ネタバレがあります。

瀬戸大橋跡地に出現したバーテックスを撃退すべくプロトタイプの勇者となった「乃木園子」「三ノ輪銀」「鷲尾須美」が出撃するが、「三ノ輪銀」が命を落とします。
代償の大きさに大赦は神樹に死なない力を要求し、神樹はサポートとして精霊を送り出し、一定の力を使うと、体の一部を供物として捧げて、強力な勇者として変貌をとげる事が出来る新しい勇者システムを与えます。

残された二人はその力を使い、敵を完全に押し返す事が出来た。だが「乃木園子」は植物人間に、「鷲尾須美(東郷美森)」は両足の機能と記憶を失う。

敵は押し返しただけに過ぎず、近いうちに必ず来る。
大赦は勇者システムを本格的に取り入れ、四国全土で適合者を絞込み、100人近い適合者を4~5人のグループに分けて各地の海辺に配置。そのグループには必ず1人「お目付け役」が派遣される。
その役割が「犬吠埼 風」だと思われます。
ちなみに「瀬戸大橋跡地の合戦」の樹海化の悪影響で親が亡くなっています。

友奈の両親は健在ですが、アニメでその表現は一切ありませんでした。
押し花は母親から、格闘術は父親から教わった様です。

「三好 花凜」は勇者システムのエキスパートとして育成され、援軍として讃州学園へ送り込まれました。
また、花凜は、命を落とした「三ノ輪銀」のスマホを回収・改造されたスマホを渡されています。

バーテックスは「星屑」という物が合体する事で成体となりその種類は星座の数と同じ数(88星座)だけ存在し、日本周辺では横道12星座ににちなんだバーテックスが存在しています。


やたらと裏話にあふれていたシンフォギア/シンフォギアGの公式サイトを既に経験済みなため、こういうのは公式サイトに掲載されてあったほうがいいのでは…?と思ってしまいます。


アニメを見た範囲では
神樹(しんじゅ):四国を覆う結界を作った神様
大赦(たいしゃ):神様の声を聴ける人の団体。防衛軍
勇者(ゆうしゃ):侵入する敵と現場で戦う少女戦士
結城友奈(ゆうき ゆうな):一般人初の勇者。主人公。素質がすごいらしい
とだけ理解。

「勇者部」について



この物語の全体構造をしめす、勇者部の演劇について




4人だった勇者部に最後に加入する、「にぼっしー」こと三好夏凛(みよし かりん)について



犬吠埼風(いぬぼうざき ふう)、犬吠埼樹(いぬぼうざき いつき)姉妹。姉の風が妹の負った障害に怒り、大赦に殴り込みに行こうとする回について



最終話のあと



反乱が起きたときの抑止力=戦略兵器として祀られていた、過去の勇者で全身不随の乃木園子(のぎ そのこ)。
乃木園子と、同じく過去の勇者で記憶を失った東郷美森(とうごう みもり)との会話について




















それぞれ、特に付け加えることもなく。

2011年に放送されもはや古典となった「魔法少女まどか☆マギカ」と比較する人もいろいろいました。
「まどマギ」は何匹でも代わりがいて契約しろとうるさい白い魔物にストレスをぶつければよかったのに対して、「結城友奈は勇者である」のほうは勇者部以外の人影がなく理不尽さを視聴者が負わされる構造だったためか、そこへの不満を覚えていた人も多かったようです。









誰も死なないし学校生活も元通り、ということで、「少女がもてあそばれた」「こっちの気分をあれだけ上げ下げしといてこれかよ」「ぶん投げてる設定をこっちに考察させるなよメンドクサイ」というのも事実。

よって、特におすすめするものでもないですが、深夜アニメの定番となった「やりがい搾取される労働者としての魔法少女」ものと、それを取り囲んで悲劇性やその日常を消費するアニメ愛好者、それぞれがよく組み合わさった娯楽として楽しかったことを記録しておきます。

前日譚の乃木園子たち3人の話「鷲尾須美は勇者である」は小説ではなくノベルゲームのシナリオというべきもの。
地の文が無味乾燥すぎて読むのがきついですが、会話内容は良いものです。
敵「バーテックス」のイラストや、BUNBUN氏の美麗なイラスト、タカヒロ氏がスケジュールを見ながらどう公開していく内容を決めたか、などが楽しめました。


この物語はBDの付録PCゲームや「鷲尾須美」のコミカライズ、4コマ漫画などで色々な関連商品に設定が散りばめられています。
すべてを追いかける気にはなれないですが、広がりがあって買いたければ買える。いい商品展開ですね。



















その他、全体について









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