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Betelgeuse's Diary

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1910年版「三匹の豚」。若者たちはどう家を建て、狼はどう睡眠リズムを崩されたか。

童話「三匹の子豚(さんびきのこぶた)」。

学校家庭講話資料 世界名作お伽噺(1910)稲村露園 三匹の豚(さんひきのぶた)


Silly Symphony - The Three Little Pigs - YouTube
2008/06/10


1933年のディズニー映画で
・ブタ長男とブタ次男がオオカミに追われてブタ三男のレンガの家に逃げ込む
・煙突から侵入したオオカミは熱湯でやけどし逃亡

と改変される前は、

・青年ブタたちは独立し、家を構えた。
・オオカミが来た。
・ワラの家のブタは、オオカミに家を破壊され、捕食された。
・木の枝の家のブタは、オオカミに家を破壊され、捕食された。
・レンガの家のブタは、家を破壊されなかった。
・オオカミは家の煙突から侵入したが、ブタが鍋を用意しており、茹でられてブタに捕食された。

という話でした。

日本では煙突から侵入というイメージがわきにくいためか、「窓から侵入」になっている例もあるようです。

近代デジタルライブラリーで、ディズニーアニメ以前の話を見てみましょう。
学校家庭講話資料 世界名作お伽噺(1910)稲村露園
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919816


<声に出して読んでみましょう>

三匹の豚(さんひきのぶた)(イギリス)

あるところに
一匹(いっぴき)の母豚があって
三匹(さんびき)の子を生みました。
さてその子豚もおいおい成長してきましたから、
ある日、母豚が三匹の子豚を呼んで、

「これこれ。
 お前たちもこれから独立をしてゆかねばなりませぬ。
 それで、今日限りもう食い物をあげないから、
 めいめいが勝手にお暮しなさい。」

といいました。



最初に母豚を出したのでそれに対しての子豚であり、
小さい豚という意味ではなかったんですね。

いきなり巣立ち宣言です。

匹 の読みがな、ひき・ぴき・びき と3種類が登場。


三匹の子豚はめいめい足の向いた方へと
たち別れましたが、



まず一番目の豚は、てくてくと歩いていると、
向こうからワラ束(たば)を持った人間が来ましたから。

「もしもし、どうかそのワラを私にください、
 それで小屋を建てますから」

といいますと、その人はすぐワラ束をくれました。
豚はよろこんで、
そのワラで小屋を立てて住んでいました。

するとある日のこと、
一匹の狼がのこのこと小屋の前へ来まして、

「豚さん豚さん、
 こちらへ出ていらっしゃい。
 一緒に遊びましょう」

といいました。

しかし
豚は狼に食い殺されるのが恐ろしいから、

「そんなうまいことを言っても出ませんよ」

と小屋の中から出ません。

狼は非常に腹を立てて、
小屋を壊して豚を食ってしまいました。




長男は瞬殺。
しかし、狼は怒らないと壊そうとはしていないので、
ワラの家にもそれなりの強度はあったようです。


その次の豚はトゲのある木を持った人に出会いました。

「どうかその木をください、
 それで小屋をこしらえますから」

というと、
その人はすぐその木をくれましたから、
それで小屋を建てて、

「この小屋なら何が来ても大丈夫だ」

と安心しているところへ前の狼が来て、

「豚さん豚さん、
 こちらへ出ていらっしゃい、
 一緒に遊びましょう」

といいました。

この豚も狼に食われるのが恐ろしいから
出ませんでした。

狼は非常に腹を立てて、
すぐさま小屋を壊して
その子豚を食い殺してしまいました。



木の強靭さにトゲが備わり最強に見える。
という次男の家でしたが、意外ともろかった。

トゲがあるのに攻撃してきた、ということで、
激怒モードの狼に痛みが有効ではない、ということがわかります。


さて三番目は、三匹の兄弟のうちで
一等(いっとう)賢い豚でありました。

この豚がてくてく歩いてくると、
一人の男がレンガをかついできました。

「もしもし、どうかそのレンガをくださいな、
 私の小屋を建てますから」

というと、
その人はすぐレンガをたくさんくれましたから
豚は大喜びで、
さっそくレンガづくりの立派な小屋を建てました。

するとまた前の狼が来て、

「豚さん豚さん、
 一緒に遊びましょう」

といいましたが、
豚が出ないので非常に怒って、
前のようにその小屋を壊そうとしましたが、
レンガづくりの丈夫なものだから
なかなか壊れません。



狼の怒りが収まるまでやり過ごす、
時間稼ぎとしてレンガハウスは機能したようです。


「これはどうしても壊れない」

と思ったから、
こんどはだましてやろうと、

「豚さん豚さん、
 この裏の畑(はた)に
 きみのお好きなカブラがたくさんありますから
 朝早くいって取っていらっしゃいな」

といいました。

豚は好きなカブラがあると聞いて、
その翌朝早く起きて畑へ出ると
狼のいうとおりカブラがたくさんありましたから、
たくさん取って帰りました。

いったいこの豚は早起きで、
今朝は五時に起きたのでありました。

ところが狼は
こうして豚を畑に出しておいて
その場で食い殺そうと思っていたのでありましたが、
根が朝寝坊だから
やっと七時頃に目を覚まして
慌てて畑へ出てみると、
もう豚が帰った後でしたから、
すぐ豚の小屋へいって

「豚さん、
 今朝は何時に畑へ行きました?」

と問いました。

「狼さんおはよう、
 今朝は五時に起きました。
 おかげで鍋にいっぱいもカブラを取ってきました、
 たいへんおいしいですよ」

とさもおいしそうに
むしゃむしゃ食べています。




豚は5時起きで、狼は7時起き。
なんというか、妙にリアリティありますね。


狼は残念に思って、

「この上の林に
 たくさんリンゴがなっているから、
 明日の朝、早くいらっしゃい」

と言い残して
その日は帰りました。

そしてその翌朝は

「今日こそ寝遅れて逃がしてはいかない」

と、眠い目をこすりながら
五時前に畑へ来ると、
まだ来ていないだろうと思いのほか、
早起きの豚ははやリンゴの木に登って
むしゃむしゃ食べていました。

豚は狼を見て

「狼さんおはよう、
 このリンゴは大変おいしいんですよ」

と向こうのほうへポイとほりますと、
食いしんぼうの狼は、
ころころと転がってゆくリンゴを拾おうと
かけ出しました。

その隙に
豚はうまく小屋へ帰ってしまいました。




狼はリンゴも好き。


「また逃がしたか、
 それじゃ明日の朝は
 まだ夜の明けぬまに起きて、
 あの豚の寝ているところを
 ひと噛みに殺してやろう」

と、その翌日は三時過ぎに起きて、
そっと窓から忍び込もうとしました。

ところが早起きの豚は
もうちゃんと目を覚ましていて、
窓の下で大きな釜で湯を沸かしていました。

朝寝坊の狼は
三日続けて早起きをしたので、
こくりこくりと眠りながら、
その窓の口から忍び込もうとして
足踏み外して
豚の釜の中へどぶんとおっこちました。

豚はこれを見て、

「この悪い狼め」

と蓋をしたからたまりません。

殺そうと思って来た狼は
あべこべに豚に殺されてしまいました。




なんと、豚に睡眠リズムを崩された狼が負けた話でした。



原文は以下。

学校家庭講話資料 世界名作お伽噺 (明治43年・1910)稲村露園
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919816

学校家庭講話資料 世界名作お伽噺(1910)稲村露園

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